ズッコケ中年三人組あらすじ感想を全巻まとめてみた。一番面白いのは何巻?
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ズッコケ三人組

僕が子供時代に一番好きで読み込んだシリーズです。

ズッコケ三人組は全50巻を通して小学6年生。12歳の物語。

 

そんなシリーズの28年後、40歳〜50歳のハチベエ・ハカセ・モーちゃんを描いた

ズッコケ中年三人組

これらを一気見したので、1巻ずつ簡単なあらすじと感想を語っていきます。

 

それではよろしくお願いします。

 

注)ここで述べるのはあくまであらすじや、読んだ感想のみです。

 




 

 

ズッコケ中年三人組あらすじ&感想

 

 

あらすじ

40歳になったハチベエ、ハカセ、モーちゃん。

それぞれがいろんな問題を抱える中年時代。
そんな時、子供時代に3度も対決をした怪盗Xが接触してくる。
子供時代と同様、Xからお宝を守る事ができるのか。

またXの接触により3人の環境や運命が大きく変わっていく所も見どころ。

 

感想

記念すべき中年シリーズの1巻目です。

那須正幹先生は当初、この1巻だけで完結させ
また10年後に「ズッコケ熟年三人組」を描く構想を持っていたようですね。

 

ところがこの巻を発売するな否やファンの方から
「10年も待てない!』という声が殺到し、1年ごとのシリーズ化が決定したとの事。

 

一巻のタイトルバックは影絵ですね。影絵で中年感を出せるのはすごいなと思います。

1ページ開くと「ズッコケ3人組の未来報告」の時に描かれた、大人になった3人が出てきます。懐かしい・・

 

さて内容ですが、40歳の3人の現状がなかなか悲惨で笑

冒頭部分。それぞれどんな風に描かれているのかというと

 

ハチベエ

八百屋を改装したコンビニの雇われ店長
飲み屋のママを何とか口説いてお持ち帰りしたいという男のサガ
(結果失敗・・どころか大騒動に)
コンビニにたむろする素行の悪い若者とのやり取り

 

ハカセ

本当は学芸員や研究の場で働きたかったのに
職にありつけず、仕方なくしている中学の社会科教師
担任クラスは不良生徒を中心に学級崩壊状態

 

モーちゃん

レンタルビデオ店で深夜のアルバイト
1人ファストフード店でしんみりハンバーガーをかじりながら
「小学校時代が一番幸せだった」とぼやく中年男性

 

 

・・・

 

 

僕はこの3人の描写でさらにこの3人が好きになりました笑

 

だってねえ

いかにもな感じじゃないですか。もう

 

ここで一気に3人組っぽいなあ、うーん相変わらずズッコケだなあ

というように僕ら読者を惹きつける描写になってます。

 

これがもしハチベエが

「年商3億稼ぐバリバリのやり手社長」とかだったら話が全然面白くなりません。

 

今はこんな感じだけど何かをきっかけにして環境や生活を変えていく

 

そんな未来があると予感させてくれます。

 

このように

 

ダメな現状→何かが起こる→楽しい未来

 

という3部構成は面白い物語の鉄板ですから

 

そんな期待感を僕ら読者に抱かせてくれる序章。

と言えるでしょう。

 

さて物語が展開していくには普段の日常から何かきっかけがなければいけません。

 

さえない中年三人組に何が起きたのでしょうか。

 

それは怪盗Xの登場。

 

怪盗Xは通常シリーズにて三部構成で物語化されている大人気の登場人物です。

 

・ズッコケ三人組対怪盗X

・ズッコケ怪盗Xの再挑戦

・ズッコケ怪盗X最後の戦い

 

最初の接触はレンタルビデオ店で働くモーちゃんの前に現れるわけですが・・

 

ここは楽しいですね。

 

物語が大きく動き出します。

 

三人が協力して物事を解決する。

というズッコケファンの僕らが大好きな物語が始まるのです。

 

しかしここで三人は葛藤します。

それはもう今は自分達は「大人」であること。

 

ハカセはこの時点で独身ですが、ハチベエ・モーちゃんには守るべき家族がいるのです。

 

ここの描写はすごくいいですね。

 

大人になるととにかくムチャが出来ない。

 

しがらみだったり

環境だったり

家族だったり

 

この辺は面白いと同時に大人になる悲しさというか

「あー、もうあの頃みたいには出来ないんだなー」という寂しさを感じますよね。

 

そしてハカセは単独で怪盗Xの調査を始めます。

 

ここもズッコケの面白いところ

謎解き解明していく過程ですね。

 

そしてハチベエは商店街の店主からXから犯行予告が届き、それをハカセ・モーちゃんに伝え、
そこでハカセも調査報告をする。という流れです。

 

ここで三人は「よし、僕らでまた怪盗Xと戦おう!」と子供の時のように一致団結するんですね。

 

そして三人で手分けして動き始める。

そんな展開です。

 

 

そしてここから
ハカセと元クラスのマドンナだった新井陽子の恋模様が描かれていきます。

 

ここからの描写はズッコケファンにはたまらないですよね。

当時のクラスメートの近況が分かるし
何よりも当時新井陽子はハカセの事が気になっていたなんて・・

 

この事実には驚きました。ズッコケ三人組ではそんな気配全く無かったし。

 

そして今なお女性の気持ちが全く分からないハカセ。

それにヤキモキする新井陽子やハチベエ。

「ああ、ハカセ全く変わらないなあ」と僕と同じく、多くの読者が微笑んだでしょう。

 

 

怪盗Xとの対決後

 

ハチベエは浮気がバレて喧嘩していた奥さんとも仲直り。
クラス会の幹事というやりがいを見出す

ハカセは不良少年を救った事で教師へのやりがいを見出す

モーちゃんは家族が普通にいる事の何でもない日常に幸せを見出す

 

という三者三様のハッピーエンドで物語は終わります。

 

 

一巻を読んで思った事

やっぱり面白い!ズッコケは

 

子供の頃夢中になって読んだあの頃の記憶が楽しいです。

 

もうね、三人のキャラクターが確立されてて
それがすごく心地よいんですよね、僕ら読み手に。

 

すごく読んでいてワクワクはするんだけれども、同じくらい安心感があるというか・・

 

とにかく最高の作品ですね、ズッコケ

 

 

以上で一巻は終わりです。

 

ズッコケ中年三人組age41あらすじ&感想

 

 

あらすじ

41歳になり健康に不安を抱え始める3人組の前に
かつて三人を虜にした謎の転校生美女だった北里真智子(マコ)が超人気占い師として現れる。
それぞれが当時の恋心を思い出す中、三人に接触してきたマコの目的とは?
そして中年の健康問題と三人はどう向き合っていくのか。

 

感想

ズッコケシリーズはズッコケ三人組もそうですが
冒頭でハチベエ・ハカセ・モーちゃんの名前を一切出さず、
見た目や性格の特徴で描くところが面白いですよね。

 

「小柄でギョロ目の色黒な少年」

「痩せギスでラッキョウに眼鏡をかけさせたような少年」

「マルマル太った栄養満点の気弱そうな少年」

 

これで誰か想像させて遊ぶという手法を那須先生は毎回やりますね。

 

それは中年シリーズでも同じ。

2巻だと「浅黒い顔に低い団子っ鼻。ギョロリとした目のおじさん」

と冒頭でハチベエが紹介されています。

 

さてこの間では「ズッコケマル秘大作戦」という初期の頃の作品に出てきた
マコという女性がカリスマ占い師として出てきます。

 

このマコとは転校生の美少女。三人がそれぞれ恋心を抱くという女性でした。

そして彼女は天性の嘘つきであり
ありとあらゆる男性を手玉に取るという女の子でしたね。

 

 

僕はこの名前が出て来た時にこの回のオチが見えました。

恐らく三人はまた騙されるんだろうなと。

案の定でしたね。

 

 

この三人組はもう、何というか

女性にはずっと手のひらで転がされる運命なんでしょうね。

 

ハチベエは絶対逆らえない妻、安藤圭子

ハカセは言わずもがな女性に対しては常に受け身

2巻でも男として全然夜の誘いに乗ってこない
ハカセにイライラする新井陽子の描写が多く描かれています。

モーちゃんはあの性格なので女性の尻に敷かれても敷くことは絶対にしない

 

まあ良くも悪くもこの「女性に頭が上がらない」という
三人の共通点がこの作品の大きな魅力なんだと思います。

だから女性ファンも多い作品なんだと思います。

僕の姉2人もこの作品大好きですし。

 

ただズッコケ結婚相談所でハチベエがやられた偽の告白はきついですね笑
あれを自分がやられたと思うと女性不審になる酷さだと思う。

 

子供の頃騙され利用させられた女の子に、中年になってまた騙され利用される。

この対比、僕は面白かったですね。ズッコケらしくて。

 

最後マコの占いをきっかけにダイエットに目覚め
利用された事に怒るハチベエと対照的に「僕は感謝してる」
そう言うモーちゃんもまた憎めないなあ、いい奴と感じる締め方でした。

 

ズッコケ中年三人組age42あらすじ&感想

 

 

あらすじ

高校生になった長男一平の反抗期に悩むハチベエ。
中学で陰湿ないじめを受ける娘佳奈に悩むモーちゃん。
そんな家族問題を抱える二人にハカセは親友として
教育者としてどうサポートしていくのか。三人の中で唯一、家族のいないハカセの心中とは?

 

感想

この巻から通常シリーズの挿絵が入るようになりましたね。

記念すべき初回は「参上!ズッコケ忍者軍団」ですか。僕が一番好きな巻です。

一度第一小学校にコテンパンにやられて、やられたらやり返す
倍返しだというように半沢直樹を先取る復讐劇がたまらなく面白かったです。

事前に周到な準備をして備えるという展開も大好きでしたね。

 

ちなみに僕が初めて読んだ巻は「ズッコケ山岳救助隊」です。

ハチベエがギョロ目をひん剥いて川を渡るあのタイトルバックが面白そうと思い
小学校の図書館で手に取ったのがズッコケシリーズを読むきっかけになりました。

 

挿絵が増えると同時にズッコケ三人組との関連話も増えて、僕らファンとしては
非常に懐かしく、面白く読めるのもこの巻からの特徴ですね。

 

さて42では冒頭でハチベエの親父さんが出て来ましたね。
僕は母子家庭だったのでこの親父さんは好きでしたね。

実家がお店やってるというのも子供時代は憧れでした。

タダで美味しいフルーツ食べれるじゃん!みたいな。そういうのありませんでしたか?

 

この回はハカセが大活躍でしたね。まあ教師で子供の問題に詳しいというのもありますが。

 

ハカセが思考し、論理的に思いを巡らせる描写はスーと引き込まれますね。

僕好きなんですよ。ズッコケでハカセの推理とか空想とか。

面白いですよね。

 

またこの巻ではハカセの妹の道子やモーちゃんの姉のたえこなど

冒頭でお伝えしたように三人組の僕らの知る家族が続々と出てくる回です。

これもあー元気にしてるんだと安心というか、懐かしさもあってテンション上がりますよね。

 

ハチベエは息子一平の反抗期に悩む

モーちゃんは娘佳奈のいじめに悩む

ハカセはそんな2人のサポートをしながらも自分はそんな悩む子供がいない寂しさもある

 

というように三人組の家族にスポットを当てた巻でしたね。

 

ズッコケ中年三人組age43あらすじ&感想

 

 

あらすじ

ハチベエの元に裁判所から裁判員制度への参加通知が届く。
一般市民のハチベエが裁判員として参加していく過程や裁判の進行をベースにして
ハカセやモーちゃんは、独自の考えや切り口で事件と関わっていく。
さて真相はいかに・・

 

感想

冒頭でハカセが「陽子と2人で会うのは気が重い」とあるのは意外でしたね。

てっきりハカセもそれなりに気があるのかなと思っていたので。

 

さてこの回はテーマが裁判員制度なので殺人事件の裁判内容を中心に物語が進みます。

 

おそらく子供はあまり好きな回ではないでしょう・・

ほとんどが裁判の進行で難しい描写や言葉だらけなので。

そんな中で3人組の料理屋やスナックでの
やり取りが対比されて、より面白く感じる構成になっています。

 

スナックのママとして通常シリーズにもよく出てきた榎本由美子が出てきました。

新井陽子に次ぐナンバー2のマドンナ。
離婚して喫煙者。あまり昔の同級生に会いたがらないという
なかなかのくせ者として出てきましたね。

ハカセと新井陽子との三角関係というのも今後面白そう!と期待させてくれます。

 

まあ裁判員制度を分かりやすく学べる教科書の巻ですね。

ハカセが分かりやすく説明してくれるので非常に勉強になった回でした。

 

でも最後のオチ部分
結局真犯人は誰だったのか分からない。という読者に想像させる展開で終わります。

 

僕がこの構成で思い出したのが「ズッコケ発明狂時代」のラスト。

あれも未来テレビで予測された競馬に果たして勝ったのか否か。

読者にゆだねる展開で終わります。

 

僕個人としてはやめて欲しいです。すっきり終わりたいじゃないですか。

だから読者にゆだねる系はあまり好きじゃないですね。はい

 

結局犯人は誰だったのか。

社長なのか。それともハカセの推理通り社長の娘なのか・・

 

まあそこを読者同士で議論させるのが作者の狙いかもしれません。

 

ズッコケ中年三人組age44あらすじ&感想

 

 

あらすじ

三人組の「趣味」にスポットを当てた44歳の回。
ハチベエは商店街の仲間に勧められた渓流釣り。
ハカセはたまたま撮った写真が思わぬ高評価されたカメラ。
モーちゃんは母親の影響で始めた自由律句。
そして山奥で遭遇したツチノコ探し。

中年の趣味挑戦とツチノコ探しという冒険回です。

 

感想

今回は中高年の趣味というテーマでしたね。

 

ハチベエが釣り

ハカセがカメラ

モーちゃんが俳句

 

ううん、確かに40過ぎて趣味もなく休みの日にする事がないというのも考えものですね。

そういう僕自身も特にこれといった趣味もなく休みはパソコン開いてる事多いですが。

 

歳を取るほどやることも出会う人も決まってくるし
友達も出来にくくなっていく。そう考えるとなんさ寂しい気持ちになりますよね。

 

そんな時に三人組みたいに定期的に会う仲間がいれば良いと思いますが
なかなかいないですよね。小学校からの親友でなおかつ腹を割って話せる仲間・・

だからこの中年三人組を見た時「いいなあ、羨ましいなあ」と僕は思いました。

彼らの年代になった時、果たしてどんな友人関係なんだろうと想像してみると。ねえ

 

そして今回驚いたのはまさかのツチノコが主役という笑

まあでもこういう未確認系は面白いですよね。ワクワクする。

 

ちびまる子ちゃんのマンガが小さい頃家にあったのですが
そこで初めてツチノコ知りました。

今の子供は知らないでしょうね。ツチノコなんて言われても。

 

でもズッコケはこういう探す系はやっぱり面白いですね。

通常シリーズだと「謎のズッコケ海賊島」とか「ズッコケ三人組の推理教室」とか

面白かったですね。三人で団結して探す系は。

 

さてさていよいよハカセと新井陽子の関係に終止符が打たれると
那須先生が後書きで言っていますね。

 

 

ズッコケ中年三人組age45あらすじ&感想

 

あらすじ

僕的にズッコケ中年三人組シリーズの一番の神回。
ズッコケ三人組シリーズとの関連、三人組の女性遍歴や過去、
ハカセと新井陽子のゴールなど。とにかく読みどころだらけのおすすめ巻。
人物の心理描写や、物語の構成展開も全11巻の中で一番いい。

 

感想

今回は面白かったですね。恐らくシリーズで最も面白い回ではないでしょうか。

「ズッコケ山賊修行中」で行方不明になってた青年との再会

ここは泣けました。また当時友人がこの巻を気に入っていたことも思い出しました。

 

「ズッコケ家出大旅行」でのホームレス少女の登場。

テレビの力で再開でき、青年と出会えるきっかけにもなった子。

 

前回はツチノコ発見で全国紙にハチベエ。モーちゃん登場。

そして今回は三人揃って全国放送に出演と、二作続けてメディア露出が多い展開でした。

 

そして何より面白かったのが三人の恋愛遍歴が多く描かれていたことでしょう。

 

ハチベエと圭子の馴れ初め。まさか酔った勢いのできちゃった婚とは笑

まあらしいですが。

 

ハカセの女性不審の理由

まあいい感じだった子が突然居なくなるのはきついですね

 

モーちゃんの奥さんの浮気遍歴

モーちゃんが一度だけ激しく怒る描写

 

とズッコケ三人組ファンならページめくるたびに面白い展開でしたが

 

五冊引っ張って、ようやくハカセと新井陽子が結ばれましたね。

 

新井陽子からの不意の逆プロポーズ

ハカセのプロポーズの場での貯金通帳持参は流石に笑いました。

 

全五巻でずっと陽子の誘いに気付かないハカセにヤキモキした人多かったと思いますが

そんな気持ちにもこの巻でようやく終止符が打たれましたね。

 

ただ僕としてはもう少し引っ張って、それこそ熟年結婚というテーマでも
見たかったですね。榎本由美子との三角関係も見たかったし・・

 

なんか際どい描写もありましたよね。泥酔したハカセのマンションに由美子が泊まったような

 

あそこら辺もにごして読者にゆだねる感じなのかな。

 

まあでも総合的にこの45歳が一番面白かったです。一気に読みました。

 

ズッコケ中年三人組age46あらすじ&感想

 

 

あらすじ

三人組の恩師だった宅和先生の死。
その死からハチベエ・ハカセ・モーちゃんは何を考えるのか。
中年も中盤に差し掛かり、死が身近になってく三人は何を思うのか。

また後半急に展開が変わり、とんでもない方向に進んでいくのも見どころです。

 

感想

この巻は小学校時代の三人組の恩師、宅和先生が亡くなるという回でした。

葬式をきっかけに花山第二小学校6年1組のメンツが勢揃い。

それぞれの今が描かれるという内容でしたね。

 

この辺はコアなズッコケファンにとってはたまらない描写ではないでしょうか。

本の最後に載ってる教室の様子を見比べながら見た人も多いはず。

 

この回で率直に思ったのはタクワンはすごく幸せだったんだなということ。

葬式に小学校の教え子全員が集まるなんて現実だったらまずないでしょう。

 

そもそも今の時代、クラス会とか同級会もほとんどやらず
昔のクラスで集まるなんて事ないですよね。だからそういう意味でも、もし自分が
担任の先生だったら、すごく幸せに感じるんだろうなと僕は思いました。

 

そして問題の後半ですね。

教え子時代にタクワンと浮気していたというおばあさんが突如現れます。

 

かなり微妙な性表現もあり、子供が読んでも全然ピンとこないでしょう。
あの真面目そうなタクワンが浮気していた、しかもよりによって教え子と。

という部分で読者を驚かせますが
実は妄想で書いた日記だったというオチで安心した読者も多いと思います。

結果的にどっちだったのか、これまた微妙に分からない展開で終わりますが
その是非についてハチベエとモーちゃんで意見が分かれたのが面白かったですね。

 

ハチベエは「タクワンも男だしそう言った浮いた話があってもいい」と
なぜか尊敬?の意思を示したのに対し、モーちゃんは「絶対に嫌だ」とここでも
キャラクターの対比が絵描かれていて面白いなと思いました。

 

ズッコケ中年三人組age47あらすじ&感想

 

 

あらすじ

ハチベエが市議会議員に立候補して選挙活動。
ハカセは妊娠と高齢出産への葛藤。モーちゃんは母の認知症。
そえぞれの問題をそれぞれが解決していく結末はいかに。
新井陽子はあれほどの美貌の持ち主なのになぜ結婚しなかったのか、悲しい過去のお話も。

 

感想

前回が担任の死という重いテーマだったので今回は

 

ハチベエ 市議会議員当選

ハカセ 子供を授かる

モーちゃん 猫を飼う事によって母の生きがいが見つかる

 

というように三人に良い事が起こるという構成でしたね。

 

僕的にはハカセが市議会議員になっていく展開の方が面白そうと感じましたが
(あれだけ弁の経つハカセを行政の場で見てみたいから)

 

このハチベエが選挙に出るというのは
「花のズッコケ児童会長」でありましたね。

ここが那須先生のうまいところですね、
当時の登場人物を全て登場させて、また同じ構図にしたんですから。

また異常にハチベエを応援していた医者の新庄紀夫の動機が
「当時応援演説を頼まれてたけど勉強を理由に断ってしまい後悔していた。だから今回は」
ってのが良かったですね。

 

後半は怒涛の展開でしたね。

欲を言えばハチベエの当選とハカセの子供の出産はもう少し丁寧に見たかったですね。

 

あとハチベエが当選したのは意外でした。所々で落選を匂わせる描写や伏線があったので

あ、これはギリギリで落ちてコンビニ店長に戻るなと僕は思っていました。

そこで日々の幸せを実感し、終わるパターンかなと

 

でも考えてみれば「花のズッコケ児童会長」で落選したハチベエを
大人になって再度選挙に引っ張り出し、今度は当選させる。

ここに那須先生のハチベエへの思いがあるのかもしれませんね。

 

まあハチベエ好きとしては非常に面白い回でしたね。

あれだけ地元に顔が広くて、前向きな性格なら確かに向いてる職業だと思いました。

 

ズッコケ中年三人組age48あらすじ&感想

 

あらすじ

ハチベエの痴漢騒動をきっかけにその裏にある陰謀を
三人とその家族が力を合わせて解決していくというズッコケらしい展開。
成長したハチベエの息子やモーちゃんの娘が現代のネットを使って大活躍。
ネットの怖さと便利さが両方わかる。そんなお話です。

 

感想

今回はズッコケシリーズでも人気が高い三人力を合わせての謎解きでしたね。

謎解きだとハチベエが行動・情報仕入れ担当、ハカセが考察
モーちゃんがぽろっと良いアイデアを出すというような役割分担がありましたが
今回大活躍したのはハチベエの子供とモーちゃんの子供でしたね。

しかし驚きましたね。あのハチベエの子供がイケメンで頭脳明晰
身長180の大学バスケのスターになっていたとは。
今までの描写では要領のいい子という感じでしたが
この巻で一気にパーフェクト男子に変貌していましたね。

あとはモーちゃんの娘。
こちらもモーちゃん同様、引っ込み思案の奥手な子かと思ったら
好きな人には積極的にいく恋多き女子になっていましたね。

 

この2人の両親とのギャップが僕は面白かったですね。2人ともモテモテでしたし。

 

さてこの巻ではこの2人が活躍するので
ラインやフェイスブックを活用して事件が解決するという展開でした。

ハチベエの痴漢現場を全く見ず知らずの青年がネットに上げるという
ネット社会の恐ろしさが描かれていましたね。

ただ結果的にそれがあったから謎も解けたわけで。負の一面ではなく
良い面を生かした所に那須先生の優しさが見れた気がします。

48歳という年齢なのでこの3人はそう言ったものに全く無頓着。

ハチベエに至ってはカメラの使い方も分からないという所に
3人組はああ、もう完全におじさんなんだと強く感じた部分でした。

 

しかしあのハカセが「パパ帰ったよー!」と
笑顔で抱きつくシーンはなかなか想像できないというか・・
らしくないなと思いました。まあそれくらい自分の子供ってやっぱりかわいいんでしょうね。

 

ズッコケ中年三人組age49あらすじ&感想

 

 

あらすじ

モーちゃんの母親の死とハチベエの息子の結婚式。
両者の不幸と幸せ。栄枯盛衰を描いた話。
ただなぜかヨーロッパの王族の子孫が花山町に現れ
3人と絡むという中年シリーズの中ではかなりぶっ飛んだ話。
世界史やカタカナが苦手な人はなかなか・・

 

感想

さて49巻です。
この巻は正直言うと読みにくかったというか・・僕はあんまり面白くなかったです。

 

前に45巻が一番面白いと言いましたが、中年シリーズではこの49巻が一番面白くなかったです。

ちょっとねえ・・世界史の説明の部分が長すぎるかなと

カタカナが頻繁に出てくるだけでも文章って読みにくいのに
全く世界史に興味のない僕はほとんど読み飛ばしてしまいました。

 

僕みたいな人多いんじゃないかな。

中年シリーズは読み飛ばす事なんて今まで無いほどずっと面白かったのですが・・・。

まあ個人の感想なので、そこは。

 

でもその他の部分、3人組の部分は安定の面白さでした。

しかしまあ、「ズッコケ心霊学入門」で出てきたあの気弱な少年がまさか
超大企業の社長で80億をポンと出せる。そんなすごい人物になっていたのは驚きましたね。

 

余談ですがズッコケの怖いシリーズだと

「ズッコケ心霊学入門」

「ズッコケ恐怖体験」

「ズッコケ学校の階段」

「ズッコケ怪奇館幽霊の正体」

 

ですかね。

いずれも子供から見たら怖いものばかりで。特に恐怖体験の女の霊。

それがハチベエに乗り移って子供の埋められてる穴を掘るシーンとか

学校の階段の背中に赤ちゃんが知らない内にしがみついてるシーンとか

 

今思い出してもなかなか怖いですね。面白かったです。

 

幸せと不幸。
ハチベエの子供の結婚ともーちゃんの母の死が対比で描かれていたのも印象的でしたね。

確かに自分に置き換えてみると、50歳位になれば子供の結婚と家族の死。

それが同時に訪れる事もある訳で。

その時に気持ちの切り替え難しいだろうなと思いました。

 

さて今回もラストは首飾りは本物か否か。読者の想像にゆだねる展開で終わりましたね。

ただその真意は最終巻で分かるとのことなので楽しみではあります。

 

ああ、もう最終巻かあ。あっという間でした。

それだけズッコケ三人組はサクサク読めて、読者を引き込ませる魅力があるんでしょうね。

 

ズッコケ熟年三人組あらすじ&感想

 

 

あらすじ

いよいよ50歳という熟年を迎えたハチベエ・ハカセ・モーちゃんのズッコケ熟年三人組。
中年を終えた三人は何を考え、どうこれから生きていくのか。ずっこけシリーズの集大成。
那須先生が思う三人組の存在意義や、今後の三人を描けない理由とは?

 

感想

さていよいよ最終巻。49巻で謎のまま終わった首飾りは本物であるという真相でしたね。

 

この巻で印象的だったのがハチベエが最後
八百屋を再びやる決心をした。ここがすごく良かったですね。

確か「ズッコケ三人組の未来報告」では八百屋を続けている設定でした。

それが中年シリーズ冒頭で八百屋を潰して
コンビニになっていたので、寂しさを感じた人も多かったのではないでしょうか?

それがターミナルビルの一番いい場所に開業!なんですから・・
素晴らしいラストだったと思います。

これだけ豊かになると逆に新鮮な野菜のみを扱う八百屋なんてすごく流行ると思うけどな。
健康志向の人もすごく多いし。
もちろん立地や商品にもよると思うけど。
商品は親父さんの畑のものなので、品質は間違いないでしょうが。

 

仕事という面ではモーちゃんが社長になりそうというのも面白かったですね。

あの口下手なモーちゃんが大きな仕事を取るためにハチベエを必死に口説く。
ズッコケではなかなか見られない絡みで面白かったです。

最初は社長に頼まれて嫌々引き受けたのに
途中から自分のキャリアアップの為に必死に口説こうとする。

あそこに人間らしさがあって面白かったです。

 

ハカセは教え子が不幸に見舞われる展開でしたが
ハカセの心情や心の機微を描くようなシーンがあまり無かったのが少し残念でした。

最終巻なのでもう少し、ハカセ自身の心情に
突っ込んだような描写があっても良かったかなと思いました。

 

 

まとめ

 

さてこれで終わりですね。中年シリーズも。

いやあ面白かったです。本当に1週間くらいで一気見しました。

 

熟年シリーズももちろん見たい気持ちがありますが、那須先生も後書きで

「前立腺肥大の為に排尿で苦労するハチベエ、免許更新の為に自動車教習所で認知症検査を受けるモーちゃん、我が子にクソじじい呼ばわりされるハカセを描けない」と言ってるように、これ以上の年齢は少し厳しいかなというのが僕の意見です。

 

仕事もハチベエやモーちゃんも今以上に忙しくなりそうだし、

年齢が上がるにつれて頭も体も動かなくなってくるし。

50歳で幕を閉じる。というのは本当にベストなタイミングだと感じました。

 

最後に那須先生が
「3人組は平和と民主主義の申し子」と思って描いていたのは驚きました。

そんなメッセージがズッコケ三人組から中年シリーズにかけて込められていたんですね。

全編通して明るく朗らかな雰囲気を醸し出しているのはそう言った意味もあったんですね。

すばらしいです。

 

最後に僕が感じたのは1つだけ。

「このシリーズはこれからもずっと読み継がれていくだろうな」ということ。

 

だってめちゃくちゃ面白いですもん。やっぱり。

僕が子供出来ても真っ先に「読んでみ」って言うと思います。

 

これだけ分かりやすい3人のキャラクターが絶妙のバランスで個性を発揮し、
展開していく物語。僕は他に知りません。

 

後やっぱりタイトルの「ズッコケ」がすごく面白いんだと思います。

未だに「何?ズッコケって。どういう意味?」って思いますもん。

 

ズッコケ

ズッコケ

ズッコケ

 

うーん

やっぱり面白い。

 

僕は小学校時代沢山の本を図書館で借りて読みましたが
大人になった今でもまた読みたくなるのはズッコケだけです。ズッコケだけ。

 

それくらいの魅力がありますよね。このシリーズには。

 

ズッコケ三人組は50巻で終わる。

ズッコケ中年三人組も50歳で終わる。

 

ここは那須先生わざと合わせたのかなあ

どうなんだろう。

 

以上でズッコケ中年三人組の感想まとめは終わりです。

 

読んでくれてありがとうございました。